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六波羅蜜寺(かくれ念仏)
 
念仏を唱えながら本堂内陣を回る踊り
●市バス清水道下車徒歩7分、京阪電車五条駅下車徒歩7分     
●東山区五条通大和大路上ル東
(京都市東山区轆轤町 81-1)


 「年の瀬巡り」、上七軒から東へ移り、祇園、宮川町を抜けて、六波羅密寺さんへ参りましょう。

 花街を歩くのはいいものですね。花街が活気づくのは日が暮れてからですけど、昼間、まだお休み中の花街は、空気が緩んでいて、猫も
日だまりで体を丸めている、そんな中をのんびりと歩くのも悪くありません。

 宮川町の東、建仁寺を下るとひっそり建っているのが六波羅蜜寺さん。
 このあたりはかつては平家一門の館がずらりと並んでいたそうです。
 でも、往時を偲ぶ縁(よすが)はいまはありません。平家が都落ちをするとき、自らの手で数多の堂宇、邸を焼き払ってしまったからです。

 六波羅密寺では毎年12月13日から31日まで、「かくれ念仏」と呼ばれる念仏踊りがあります(ただし、31日は非公開)。
 あまり広くはない本堂内陣で僧侶数人が鉦を叩きながら念仏を唱え、腰を曲げたりしながら回ります。京で疫病が流行ったときに、空也上人が始めた踊りと伝えられています。
 この念仏踊りは、期間中薄暮になりかけたころに始まり、30分程度続きます。その様子は、内陣手前の畳の席に座って拝見させていただくことができます。

 この踊りが好きでな人は、早く入らないと前の席に座れません。
 見物のあと、体が冷えますね。お食事を、というときは、鴨川沿いの食事処へ出てはいかがでしょう。
 お寺の北の松原通を西へ進み鴨川にかかる松原橋を渡ります。このあたりには料亭、旅館が鴨川沿いに並んでいますけど、とくに目立つのが「ザ・リバー・オリエンタル」です(京都市下京区木屋町通 松原上ル)。
 昭和初期に建てられた料理旅館を改装し、とってもお洒落なデザインのダイニングになっています。鴨川縁の夜景を満喫しながらの食事、おすすめです。
 



「冬こそ静かに非公開文化財を味わう」コース
●絵巻を手にした平清盛坐像




 冬は祇園や宮川町もあまり人通りが多くありません。静かな宮川町筋を抜けて、お次は六波羅密寺へ参りましょう。
 大河ドラマ「義経」でも存在感が際立つ平清盛さんですが、その平家一門の館のあったのがこの六波羅あたりどす。
 六波羅蜜寺さんは、951(天暦5)年、醍醐天皇第2子光勝空也上人により開創された西国第17番の札所です。
 平安後期に、平忠盛が六波羅蜜寺の塔頭に兵を置き、その後、清盛、重盛に至り広大な寺域に平家一門の邸館が栄えたそうで、
その数はなんと5200余りに及んだと伝えられています。そして平家が攻められたとき兵火を受け、かろうじて本堂のみ焼失を免れました。
 いまはその栄華を偲ぶべくもありませんけど、重要文化財が多数残されています。本堂のほか、平清盛像、空也上人像など重要文化財に指定された寺宝が今回公開されます。
 絵巻を手にした平清盛像は、傲慢な匂いは感じられない気品が漂っているようですが、皆さんはどう感じられますか?
 うちは建礼門院さん遺愛の硯もぜひ見てみたい、思うてます。

 拝観のあとのお食事は、松原橋から鴨川を渡り木屋町通へ出て、探しましょう。オススメは会席料理の田鶴(下京区木屋町松原上る)。
木屋町通を上がると、店を構えています。こだわりの京野菜を素材にした京料理をいただけます。夏は川床で鱧料理も賞味できますので、夏にも訪ねたいお店どす。