ネット電話ソフト「Skype」は何がいい? 新聞などで「Skype(スカイプ)」という電話ソフトが紹介されていますが、どんな特徴があるのでしょうか。メッセンジャーソフトでも音声通話ができますが何が違うのですか。 Skypeは全世界で既に約2000万人が利用しているといわれる無料の電話ソフトです。その特徴を一言でいうと、「手軽で安い」こと。Skypeと同様、インターネットで音声データをやり取りするIP電話と比べ、通話料が多くの場合において割安で、さらに利用に際してプロバイダーとの契約も不要。パソコンを使ったユーザー同士の通話は無料です。ただし、110番や119番など特殊電話にかけることはできません。
一例として、Skypeの通話料を、IP電話のBBフォン(Yahoo! BB)と比較してみましょう。国内の固定電話向けはわずかに高いものの、携帯電話や国際電話向けは割安です。特に英国や中国への国際電話は、BBフォンのわずか十分の一程度です。ただし、Skypeユーザー以外に電話をかける際には、事前にルクセンブルグのスカイプ・テクノロジーズのWebサイトからクレジットカードを使って電話代を前払いしておく必要があります。
Skypeのソフトは、同社のWebサイトからダウンロードできます。国内でも提携先のライブドアやバッファローがダウンロード用の専用サイトを開設しています。
ソフトの操作は慣れてしまえば簡単です。インストールは、基本的に自分のスカイプ名(ユーザー名)を登録するだけ。通話の際にこのスカイプ名を検索して、相手を指定すればいいのです。なお、相手がSkypeに3日以上ログインしていない場合は、検索できないので要注意です。
Skypeで通話するには、マイクとスピーカーが必要です。ノートパソコンの中にはマイクを内蔵しているものもありますが、それでは話し相手が声を聞き取りにくいこともあります。別のマイクを用意したほうが無難でしょう。パソコンショップなどで販売されているイヤホンとマイクが一体となったヘッドセットを使う手もあります。
Skypeはいったいどのような仕組みで通信しているのでしょうか。 IP電話の場合は、ユーザーを管理するサーバーなどを用意する必要があります。このため、ユーザーは利用時にプロバイダーと契約したり、また企業では情報システムを構築する業者に依頼する必要があります。 一方、Skypeでは「P2P(ピアツーピア)」という技術を利用します。これは、専用のサーバーの代わりにユーザーのパソコンを利用するもの。Skypeでは、ユーザー登録されたパソコンは一定の基準で自動的にグループ分けされます。グループ内でCPU性能が高く、メモリー容量が大きいなどの条件を満たしたパソコンが「スーパーノード」と呼ばれるリーダー的な存在となります。 スーパーノードは自動的にグループ内のユーザー情報を集め、ほかのグループに所属するスーパーノードと情報を交換します。このような情報共有の仕組みがあるため、各ユーザーが他のユーザーを検索したり、ログイン状況を確認できるというわけです。もしスーパーノードが電源を切ったりした場合は、別のスーパーノードに接続します。
Skypeは、音声通話の機能を持つメッセンジャーソフトに比べて、音質がいいことを売り物にしています。実際にMSN Messengerと聞き比べてみました。編集部の社内LANに接続されたパソコンと、インターネットを経由してADSL回線でつながったパソコン間で試してみたところ、SkypeはMSN Messengerと比べて高音がくっきりしており、聞き取りやすいように感じました。 なお、Skypeは音質の低下を防ぐ仕組みも備えています。例えば、通信の遅い場所を避けて経路をう回する、通信速度に合わせて音声の品質を下げるといった機能があります。
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