円偏光フィルターって何?

液晶ディスプレイの表面に取り付けて外光の反射を抑えるという触れ込みの「円偏光フィルター」は、どういう働きをするのでしょうか。また商品例を教えてください。

液晶やCRTのディスプレイ表面で部屋の照明や窓からの明かりが反射して画面が見づらくなる経験は、多くの人がしていると思います。その反射を抑えるフィルターの一つが「円偏光フィルター」です。ほかのものに比べ反射を抑える効果が高く、その分価格は2万円台と高めです。円偏光フィルターの商品例にはエレコムの「ハイグレードフィルター」シリーズなどがあります。

 光は振動する波で、振幅の方向がある規則に従うものを「偏光」と呼びます。偏光には、振幅の方向が一定面内にある「直線偏光」と、振幅の方向が時間の経過で円を描く「円偏光」などがあります。自然光は通常、振幅の大きさも方向もばらばらですが、振幅の向きが時間とともに右(または左)に回転する光だけを透過させるのが円偏光フィルターです。

 下の図を見てください。フィルターを透過した右回りの偏光は、ディスプレイの表面で反射します。この反射で右回りの光は左回りになります。左回りの反射光は、右回りの偏光しか通さないフィルターでしゃ断されるため、フィルターの外で見ている私たちからは、外光がカットされて見えるのです。

 ただし、円偏光フィルター利用時は、使わないときよりも画面が暗く感じられる欠点もあります。液晶やCRTのディスプレイから発せられ、画像の表示に使われている光も、右回りの偏光以外はフィルターでカットされてしまうからです。

 ディスプレイに取り付けて外光の反射を低減するフィルターには、このほかに薄膜を多層コートして低反射加工をしたものも多くあります。しかし、これらは画面とフィルターの間で多重反射を引き起こすこともあり、円偏光フィルターほどの効果は得られません。

●フィルターが外光をカットする仕組み
円偏光フィルターを透過した外光の振幅方向は右回り(フィルターによっては左回り)。これがディスプレイ表面で反射することで左回り(または右回り)となり、フィルターでしゃ断される