CD-RWが便利になる「Mt.Rainier」って? 最近「Mt.Rainier対応」という製品を見かけますが、これは何なのでしょうか。CD-RWメディアを便利に使うための規格とのことなのですが。 「Mt.Rainier」とは、米旧コンパックコンピュータ、米マイクロソフト、蘭フィリップス、ソニーが中心となって設立した業界団体の名称です。その目的は、CD-RWのパケットライトの使い勝手の向上です。パケットライトとはCD-R/RWにドラッグ・アンド・ドロップでファイルをコピーする仕組みで、CD-R/RWをフロッピー・ディスクのように扱うことを可能にします。Mt.Rainierが規格化したパケットライトの方式を「CD-MRW」と呼びます。 CD-MRWではフォーマット時間が短縮します。フォーマットとは、パケットライトの準備作業で、これが終了しないとファイルをコピーできません。ところが、通常のパケットライトではフォーマットに約13分もかかります。「ファイルのバックアップをしよう」と思っても、すぐに作業が始められないのです。これに対してCD-MRWなら36秒。これならイライラすることもないでしょう。 フォーマット時間が短い理由は、ディスクの全域を一度にフォーマットしないからです。最初のフォーマットでは、最低限の領域だけを処理し、残りはCD-R/RWドライブが使われていないときに実行します。これを「バックグラウンドフォーマット」と呼んでいます。これまでのパケットライトでは、最初にディスク全域をフォーマットするため、時間がかかっていたのです。
次期Windowsに搭載 パケットライトには互換性の問題もあります。自分で作成したディスクがほかのパソコンで読めないことが多いのです。そこで、Mt. RainierはCD-MRWをOSの標準機能とすることで互換性の確保も狙っています。OSが標準でCD-MRWの書き込み/読み込みに対応すれば、多くのユーザーがCD-MRWを使うはずです。他人に配布するディスクも安心して作成できます。ただし、CD-MRWがWindowsの標準機能になるのは2004年後半に登場の次期Windows XP(Longhorn)からの見込みです(読み込みは年内対応予定です)。 CD-MRWを利用するには、対応CD-R/RWドライブと対応パケットライトソフトの両方が必要です。対応ドライブとしては、ヤマハの「CRW-F1」シリーズや、プレクスターの「PX-W4824」シリーズなどがあり、対応パケットライトソフトにはビー・エイチ・エーの「B's CLiP」やプロジーグループの「InCD」などがあります。
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