サーバー構築より簡単な「NAS」とは?

サーバーを構築したいのですが、設定が難しそうなので二の足を踏んでいます。ところが最近、手軽に扱える「NAS」というものがあると聞きました。どういうものなのか教えてください。

NASとは「Network Attached Storage」の略称で、ネットワークに直接接続できるデータストレージ機器のことです。通常、ネットワーク上で記憶装置を共有する場合、ファイルサーバーとなるコンピューターが必要となりますが、NASは直接100 BASE-TX/10BASE-Tなどのネットワークに接続できます。

 一方、よく似た言葉に「SAN(Storage Area Network)」というものもあります。こちらはストレージ機器用の高速なネットワークを構築するシステムのことです。独自のネットワーク上に接続して管理するため、情報を安全に運用できますし、ネットワークの負荷分散にも役立ちます。ただし、その分構築は大変で、費用もかかります。

 これに対し、NASは同じネットワーク上に存在するため、負荷分散にはなりませんが、もう少し容易に構築できます。また、ソニーの「ポータブルファイルサーバー FSV-PGX1」や、下の写真のように小型で、小規模オフィスや個人向けの製品も登場しています。こうした製品は、RAIDによるデータ保全性確保の機能などを省き、単純なファイルサーバーとしての機能を低価格で提供します。

アイ・オー・データ機器の「LANDISK」。容量250GBのモデル「HDA-i250G/ LAN2」(9万2800円)などがある
メルコの「LinkStation」。容量250GBの「同-250LAN」(8万9000円)などがある