海外製DVDは国内のパソコンで再生可能?
 海外旅行へ出かけたとき、最新のDVDソフトを見つけたのですが、再生できるかどうか不安で購入しませんでした。海外製DVDは国内製パソコンで再生できるのでしょうか。
DVDソフトやDVDドライブ、もしくはDVDプレーヤーには、「リージョナルコード」と呼ばれる番号が割り当てられています。リージョナルコードは世界の6地域で異なり、DVDソフトとDVDドライブに割り当てられた番号が一致しないと映像は再生できないようになっています。
この仕組みは、主に米国ハリウッドの映画産業の意見を取り入れて導入されました。通常、ハリウッド映画の劇場公開時期は、米国、カナダが先行し、次に日本や欧州というように地域によって異なります。もし、日本で劇場未公開の映画のDVDソフトが日本の家庭で劇場より先に見られるとなれば、米国映画産業にとってはビジネス上大きな問題です。リージョナルコードは、これを防ぐ目的で策定されました。例えば、米国のリージョナルコードは「1」、日本は「2」なので、通常は米国製のDVDソフトを、国内製のパソコンやDVDプレーヤーで再生することはできません。
●地域によって異なるリージョナルコード |
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DVDソフトやDVDドライブには、「リージョナルコード」と呼ばれる地域番号が割り当てられている。リージョナルコードは世界6つの地域で異なり、例えば米国は「1」、日本は「2」。再生時にソフトとドライブの番号が一致しないと、再生できない仕組みだ |
リージョナルコード |
主な割り当て国 |
1 |
米国、カナダ、プエルトリコなど |
2 |
日本、欧州、中東、南アフリカ、エジプト |
3 |
東南アジア、東アジア(香港を含む) |
4 |
オーストラリア、ニュージーランド、太平洋地域、メキシコ、中南米、カリブ地域 |
5 |
旧ソビエト、東欧、インド、アフリカ、北朝鮮、モンゴル |
6 |
中国 |
●番号は変えられる
ただし、DVDドライブでは例外的にリージョナルコードを変更することができます。国内でパソコンを購入したユーザーが海外に移住した際、現地のDVDソフトを再生できるようにするのが目的です。ところが、無制限にリージョナルコードが変更できてしまうと、地域ごとに番号を割り当てた本来の目的が果たせません。このため、通常は5回という変更回数の制限が設けられています(多くのドライブでは初期設定で1回分使うため、変更できるのは4回までとなる)。
リージョナルコードは、ドライブに付属する再生ソフトで変更することができますが、Windows
2000やXPであれば、OS上で変更することも可能です。Windows XPの場合、「デバイス
マネージャ」からDVDドライブのプロパティを開いて、「DVD地域」の画面で新しい地域を指定します。変更回数が5回目になると、ドライブのリージョナルコードは最後に設定した番号に固定されてしまうので注意が必要です。変更回数はWindowsを再インストールしても変わりません。
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DVDドライブのプロパティにある「DVD地域」のタブで、リージョナルコードを変えられる。この図の場合、変更ができるのはあと4回 |
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