ケーブル伸ばすならLAN、電話線のどっち?

ADSLモデムと、そこから約10m離れた部屋に置いたパソコンを接続するのには、電話線もしくはLANケーブルのどちらを長くした方がよいのでしょうか。

ADSLの配線でケーブルを引き回す場合は、電話線(モジュラーケーブル)よりもLANケーブルを長くするのが常とう手段です。理由は通信速度に悪影響を与える「ノイズ」対策にあります。 

 ノイズはADSL回線の正常な通信を妨げる厄介なものです。遠く離れた人同士が会話する際、周りが静かであれば声は届きますが、途中、騒音などがあると、途端に声が聞き取りにくくなります。これはADSL通信においても同様で、途中にノイズ源があると通信速度は遅くなります。

 屋内にはノイズ源がたくさんあります。具体的にはパソコンや冷蔵庫、電子レンジ、エアコンなどです。これらが発するノイズは、ADSLモデムの電源経由で侵入してきたり、空中を伝ってケーブル内の信号に悪影響を与えます。

 このためケーブル類はなるべく短くするのが基本ですが、電話線もしくはLANケーブルのどちらを長くするか、という点ではノイズに対する抵抗力が大きいLANケーブルを長くすることをお勧めします。

 電話線は、内部を平行に走っている2本の銅線で構成されています。この構造は、ノイズによる影響を受けやすい欠点があります。一方、LANケーブルは、ケーブル内の2本の線をねじって1本にまとめるツイストペア(より対)と呼ばれる構造をしており、この方がノイズの影響を受けにくいのです。

 もし電話線を伸ばすなら、ツイストペア構造の電話線(430円/m程度)を購入する手もあります。