停電対策はどうすればいい? 今年の夏は、関東地区で電力不足が懸念されています。突然停電した場合、パソコンにはどんな問題が発生するのでしょうか。対策も合わせて教えてください。 毎年、夏になると電力不足が叫ばれますが、今夏は例年になく深刻な状況のようです。通常はエアコンを中心とした電力消費量の拡大が主な要因ですが、今年はそれに加えて原子力発電所の点検による運転停止によって、東京電力管轄内での発電量自体が少なくなっています。 突然の停電は、電子機器側から見ると、動作中にコンセントから電源ケーブルを引き抜かれたのと同じ状況になります。専用バッテリーを搭載しないデスクトップパソコンでは、次のような影響が想定されます。 まず、作業中のデータは消えてしまいます。入力中の文書ファイルはもちろん、プリンターで出力中のデータも消えます。 また、ハードディスク(HDD)への影響も懸念されます。起動中はもちろん、データの書き込み中やデフラグの最中などに停電が発生すると、最悪の場合HDDがクラッシュしてしまい、二度と使えなくなってしまう可能性があります。当然データを復活させることはできません。 このほか、Windows 95/98/MeなどのOSでは、正常な終了処理をしないためにブートファイルなどに異常が発生し、OSが起動しなくなるトラブルも考えられます。その場合はOSの再インストールが必要になります。 停電時に慌てないためには、こまめにデータをセーブしておくのが基本ですが、停電対策機器を使う手もあります。代表的なものがUPS(無停電電源装置)です。UPSは、パソコンやサーバー向けの緊急時用バッテリーシステムです。UPSに接続された機器は、停電時にUPSを電源とする運転に切り替わります。連続運転時間は5〜10分で、この間にデータの保存やパソコンのシャットダウン処理を実行する必要があります。 また、ほぼすべてのUPSに落雷などで発生する瞬間的な過電圧(サージ)による機器の通電(ショート)を防ぐ機能があります。 もともとUPSは、企業のオフィスやサーバールームなど、停電が大きな被害をもたらすコンピューターシステムで使われてきました。最近では常時接続環境の普及に伴い、APCジャパンやオムロンが、家庭やSOHO向けに小型で低価格な機器を販売しています。安いものでは1万円前後から購入できます。
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