液晶ディスプレイの保証期間の違いは? 液晶ディスプレイの保証書を見ると3年となっていますが、「パネルとバックライトは1年」と但し書きがしてあります。これはどういう意味なのでしょうか。 液晶ディスプレイに限らず、パソコンや周辺機器には保証期間があります。これは機器を購入後、メーカーが想定する使い方をしていて故障した場合に、無償で修理する期間を示すものです。この期間はメーカーや機器によって違います。 液晶ディスプレイでは、多くのメーカーが通常1〜3年程度を保証期間としています。ただし、保証期間が3年であっても、その中で液晶パネルやバックライトなど特定の部品の保証期間については1年間のみ、さらに1年の保証期間内であっても液晶パネルの劣化、バックライトの輝度低下などについては保証の対象外としているメーカーがほとんどです。これらの部品が故障した場合は、保証期間内であっても基本的に有償修理となります。
保証の対象外となるのは、液晶パネルやバックライトが「消耗品扱い」であるためです。 バックライトは液晶の背面から光を当てて画像や文字を映し出す役割を担っています。液晶ディスプレイ単体とノートパソコン用の液晶パネルでは構造は多少異なりますが、液晶ディスプレイではバックライトの光源に冷陰極管と呼ぶ蛍光灯を使います。蛍光灯は、蛍光材料に電圧をかけて発光させるため、時間が経つほど暗くなっていくのです。
また、液晶パネルも、通常使っていると紫外線などの影響で劣化していきます。両方とも購入時の性能を維持することが物理的に不可能であるため、消耗部品扱いとなり保証の対象外となっているのです。 ただし、消耗品といってもそれほど頻繁に壊れたり、劣化するものではありません。一般にバックライトの寿命は非常に長く、3万〜6万時間は持つと言われています。もし、6万時間だとすると1日に12時間使い続けたとしても14年近く持ちます。 しかもこれは経年変化によって、ある一定の電圧をかけても所定の明るさに発光できなくなる状態です。 メーカーの言う寿命時間は、製品出荷時の最も明るい状態で使い続けて、明るさが半分になった状態までの時間ですから、液晶の明るさを下げて使っている場合はもっと長く持つ計算になります。液晶パネルも以前に比べると経年劣化は大幅に減少しています。
液晶ディスプレイメーカーのナナオはこの6月から、一部の機種に限って5年間保証(液晶パネルやバックライトは3年)を開始しました。その理由を「ユーザーからの要望が多く、液晶自体の品質も以前に比べると向上しているため」(同社)としています。 ある大手液晶メーカーでも、「以前と比べて品質は向上しており、液晶パネルを含めて3年保証も可能になってきている」としています。実際、液晶パネルやバックライトも含めて保証期間を3年とするディスプレイメーカーも一部で登場しています。
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