ドルビー・デジタルサラウンドの意味は?

DVDのパッケージには「英語5.1DTSサラウンド」「英語5.1chサラウンド」などと書かれています。これはどういう意味で、パソコンで再生する場合も有効なのでしょうか。

DVDの映画タイトルを観賞する場合、画面の大きさだけでなく音響にも気を配ると、より迫力が増します。DVD-Videoのパッケージには、「5.1chドルビー・デジタル(Dolby Digital)」や「DTS5.1chサラウンド」などと、サラウンドの規格が記されています。
●複数あるサラウンドの規格
映画のDVDなどでは「5.1chサラウンド」「5.1chサラウンドEX」や「DTS5.1chサラウンド」など、対応するサラウンド効果が表記されている

 これらの規格では2つの項目に注意する必要があります。1つは「チャンネル数(ch)」、もう1つは「音声フォーマット」の形式です。上の例でいうと「5.1ch」がチャンネル数を、「DTS」や「ドルビー・デジタル」が音声フォーマットを表しています。

 チャンネル数とは接続するスピーカーの数のこと。DVDのサラウンド機能は通常のステレオスピーカーと違い、5つ以上のスピーカーを使うことでサラウンド効果を出します。現在主流となっている5.1チャンネルではスピーカーは前方に3個(左右と正面)、左右後方に2個配置し、さらにサブウーファーを1つ設置します。スピーカーの数は合計6個となりますが、サブウーファーは低音域専用であるため、これを「0.1ch」と計算し、5.1chとしています。最近では5.1chにさらにスピーカーを追加した6.1chや7.1chなどのシステムも登場しています。ドルビー・デジタルには5.1chEXという表示もありますが、これは6.1chのことです。

●チャンネル=スピーカーの数
5.1chでは、前方に3つ、後方に2つのスピーカーと、サブウーファースピーカー1つの組み合わせで臨場感を出す

 もう1つの音声フォーマットとは、サラウンド機能がどの技術を使っているかを表しています。DVD-Videoにはいくつか規定の音声フォーマットがあり、サラウンド用途には「ドルビー・デジタル」か「DTS」が使われています。ドルビー・デジタルは、米ドルビーが、DTSは米デジタル・シアター・システムが開発した規格です。ドルビー・デジタルの方がよく使われていますが、DTSはより音質に優れるといわれています。

サラウンドが標準機能に

 現在のパソコンでDVDのサラウンド効果を楽しむには、サラウンドに対応したアンプとスピーカーが必要で、クリエイティブメディアやヤマハなどが製品を販売しています。製品の多くはドルビー・デジタルとDTSの両方に対応しています。また、ソニーなどは、サラウンド対応のヘッドフォンも販売しています。ただし、アンプを別に購入する必要があり、まだあまり普及していません。

●パソコンで再生するにはアンプが必要
パソコンでDVDを鑑賞する場合、サラウンド用アンプなどを接続すれば迫力がある音響効果を楽しむことができる。写真左はクリエイティブメディアの「USB Sound Blaster Audigy 2 NX」。写真右はソニーの「MDR-DS3000」

 最新のパソコンでは、あらかじめこれらのサラウンド機能を備えた機種が出始めています。インテルのチップセットi925X、i915G、i915Pなどを搭載したパソコンではドルビー・デジタル、DTSの再生機能を備えています。こうしたパソコンではスピーカー端子を接続するだけでDVD-Videoをサラウンド効果付きで楽しむことができます。