2層式DVD+Rに録画した番組はDVDプレーヤーで再生できる?

最近のパソコンはほとんど片面2層式DVD+Rの書き込みに対応していますが、テレビ番組を録画した場合、家庭用のDVDプレーヤーで再生できるのでしょうか?

2層式DVD+Rは、下の図のように、2組の記録層を重ねた構造をしています。データを書き込む際にはまず、下側の表面に近い「記録層L0」に記録用レーザー光線の焦点を当てます。レーザーの出力を変えると、強弱に応じて記録層の色素が化学変化し、データを記録します。1層目を記録し終えたら、今度は奥側の「記録層L1」にレーザーの焦点を合わせて同様に記録します。このとき表面側の「記録層L0」は焦点から外れるため、化学変化は起こりません。
ポリカーボネート基板の間に、L0とL1の2組の記録層と反射膜がある。L0の反射膜は半透明で、レーザー光線が通過してL1側も読み書きできる。(図は三菱化学メディアのWebサイトより引用)

 データを読む際には、記録時よりも低出力のレーザー光線を使います。色素の化学変化を起こした部分と、そうでない部分では光の反射率が違うため、反射するレーザーの強弱でデータを読み取るのです。この場合も、2つの記録層それぞれにレーザーの焦点を合わせて読んでいます。 再生互換性ですが、市販DVDプレーヤーは2層式DVD-ROMの再生に対応しています。しかしDVD+Rの記録層の反射率はDVD-ROMと若干違うので、同じ2層式でもうまく再生できない場合があります。

多くの2層式DVD+R対応ドライブには、ブックタイプを自動的にDVD-ROMに書き換え、再生互換性を高める「ROM化」機能がある。

 またDVDメディアには、DVD-RAMやDVD-RWなどの規格を区別する「ブックタイプ」情報が記録されています。DVD+R DLは2004年に出た規格ですから、古いDVDプレーヤーはこの情報を持たず、メディアを認識できないことがあります。そこで多くのドライブは、ブックタイプを「DVD-ROM」に書き換える機能を持っています。
 なお同じく2層式の「DVD-R DL」では、ドライブは記録時にブックタイプを書き換えません。このため、メーカーが正式にDVD-R DL対応を表明している最近のドライブやDVDレコーダー以外では、再生できない可能性があります。最悪の場合、メディアが排出できなくなるなどのトラブルも起こるので注意しましょう。