「頤和園(いわえん)」は、北京市内から北西約25kmの郊外にあります。
 「頤和園」の歴史は古く、12世紀、金代に皇帝の離宮として築かれたのが始まりといわれていますが、その後17世紀以降の清代に、最も大々的な整備がなされたそうです。
しかし、近代に入ってアヘン戦争などの事変によって破壊され、その後19世紀後半に醇親王による修復がなされました。正式に「頤和園」と命名されたのはこの頃だといわれ
ています。
 さらに20世紀初めには、絶大な権力を握った、かの「西太后」により大規模な修復が行われました。このときの修復経費には莫大な戦費が流用されたそうで、その後の財政
危機を招き、清朝滅亡の原因の一つともいわれています。
 広大な皇帝の庭園は、現在世界遺産にも登録されています。また、頤和園は万寿山という小高い山とその南側に広がる昆明湖という人工湖で構成されています。
 万寿山一帯にはたくさんの建物がありますが、この万寿山は、昆明湖を作るときに掘り出した土を盛り上げて築山したものだそうです。
 広大な頤和園を少し丁寧に散策するとなると悠に半日はかかります。少ない時間で回るとなると、「東門」入園して、湖の畔に巡らされた全長約750mの長廊を西方向へ散策
し、船着き場から遊覧船に乗って入り口に戻って来るというのが手軽なコースになります。