北京は故宮を中心に日壇公園(東)、月壇公園(西)、天壇公園(南)、地壇公園(北)があるのが分かる。「壇」とは、皇帝の祈祷場で、
昔は「皇帝の庭」と言われていた。中でも天壇は、自分を天子として天帝を祭るため最も重要な場所となる。もとは城外に設けられてい
たが、地壇同様、明代嘉靖の外城工事の際、城内に取り入れられた。壇廟建築では、中国最大を誇り、明清二代の皇帝が天を祀り豊
作を祈った。明の永楽4年(1406年)に設計施工し14年をかけ永楽18年(1420年)に完成した。祈念殿、皇穹宇、園丘と一直線の配置
は明快かつ見る人を魅了する。
 藍色の瑠璃瓦が青空にみごとにマッチする祈年殿。北京のみならず中国をも代表するこの美しさは、訪れるものに中国の広大さを感
じさせずにはおられない。
 市民の公園としても親しまれており、メイン通路を外れるとダンスに興じる人や二胡(中国バイオリン)の調べにのって歌を歌っている
人など市民の生活を垣間見ることができる。