前門は天安門広場の南にある正陽門と箭楼から始まる大街。この門が本来の前門で、このあたりの地名のもととなっている。
 前門はやはり歴史の古い街で、北京城の門前に建ち並ぶ屋台の市場がその前身。もちろん今ではちゃんとした建物になっているのだが、
清朝から続くという老字号(老舗)も多い。

当時からここに店を構えることは一種のステータスだったようで、現存する店も国内では名の売れたところばかりだ。
 日本人にもよく知られているところでは北京ダックの全聚徳、お茶の張一元、漢方薬の同仁堂などがある。また履き物(布)の内聨升、チ
ーパオ(旗袍:チャイナドレス)を仕立ててく
れる糸調商店なども忘れてはならないだろう。いずれも日本人を始め、観光客でにぎわっている。