不老園のおいたち
 
不老園は、JR中央線酒折駅から5分。
 甲府市東部山つきの総面積5万平方メートルにおよぶ広大な山地に、明治30年、甲府市内に住む呉服商の七代目奥村正右衛門が別荘として開園したもので、氏は北海道を除く全国を行脚して、特に九州地方から紅梅、小梅、夫婦梅、ブンゴ梅などを持ち帰ってはこの園に植えつけたと言う。山を切り崩し、谷を生かし、池をつくり、その周辺に20数種類3,000本の梅と桜、牡丹、南天、赤松、ツツジなどを植栽して、庭づくりに専念することおよそ30数年。晩年は自然を友としておくり、対象13年に86歳でその生涯を閉じた。
 その後、園は5人の子息によって受け継がれたが、恒久的な維持を図るために、昭和40年に財団法人「奥村不老園」となった。
 不老園の名のいわれは、中国の古事「不老の門を入り奇岩・銘木の間を逍遥して長生の庵に至る」にならって入口に大門を建て梅園を不老園と称した。また、池を逍遥の池、池畔の庵を長生園と呼んで観梅の客を招き、以来甲斐路の梅の名所として有名になった。                     MAP