高昌故城は、吐魯蕃市街から南東45kmのアスターナ古墳群から更に4kmほど南に行ったところにある。周囲は5km
で、高さ11mの土壁となっているが、何百年ものあいだ風化にまかせているせいか、故城の中は今にも崩れそうな遺
跡が点在している。
 漢代から1000年以上にわたって新疆地域の政治・経済・文化の中心で、特に499年に漢民族の麹文泰が興した「高
昌国」の時代が最も栄え、天竺への旅を続けていた玄奘三蔵が、乞われてこの地で仏教を講義したことは有名。玄奘
三蔵がこの地を去るに当たり高昌王から高価な品や、天竺への20年分の旅費を与えられた。
 10年後に再び玄奘三蔵が帰国報告のため立ち寄った時には、すでに高昌国は唐により滅ぼされ、町は無残な姿を
さらしていたと言われている。 
 入口のみやげもの店を抜けると赤茶けた荒涼とした地が続き、彼方に荒れ果てた故城が望見できる。故城跡までは
乾いた道を500mほど歩かなければならなず、猛暑の中を歩くとなると大変だ。入口付近にはロバ車が待機しているの
でこれを利用すると良いが、砂埃をあげてロバ車を走らせるので、帽子とマスクそれにミネラルウオーターは必携。