留園は蘇州城の西にあり、拙政園と並び中国四大庭園のひとつ。明代万歴年間に太朴寺少卿徐秦時の私家庭園の東園として建設された。
 清代の嘉慶年代に改修、園主の劉恕名の姓にちなんで劉園、のちに留園と呼ばれるようになった。
 敷地面積は約2ha。蘇州で2番目に大きい庭園。留園は蘇州にある各名園の長所を取り入れられており、東、中、西、北の4つの部分に分か
れている。

 東部は住居で重厚な建築が中心。中部は山水、西部は山林、北部は田園の趣を現している。それぞれの空間がたくみに組み合わされており、
その配置の妙と華麗な庁堂が目を引く。

 また回廊を飾る「漏窓」と言われる透かし窓も見もの。一つとして同じデザインはなく、その一つ一つの窓から見える眺めも異なり、それぞれに
完成された一副の絵画を見るようだ。

 また紅楼夢の大観園が再現されている建物や、太湖石の名石冠雲峰、歴代の書道家の書が彫られ、留園法帖といわれている壁の石碑も貴
重なもので一見に値する。