上海ではほとんどの道路は東西若しくは南北に走っていますが、黄浦江の側に円形になっている道があります。これは、倭寇の襲撃を防ぐために16世紀半ばに作られた
城壁だったところで、城壁は周囲5キロ弱、高さは8メートルあったとされています。しかし、1912年に取り壊され、現在は人民路と中華路になっています。この円形の道の内
側は旧上海城とよばれ、租界時代の上海においても中国人だけが住む地域だったということで、この地域の中心に豫園があります。
 豫園は、1559年に造られ、1577年に約70ヘクタールに拡張された江南の有名な庭園の一つです。豫園の「豫」は「愉」に通じ、すなわち「楽しい園」という意味。豫園は外灘
と並ぶ上海2大観光スポットのうちの一つであり、上海に来た観光客はほぼ必ず訪れる場所です。狭い空間に芸術品のように細かい工夫が多数なされている庭園ですので、
じつくり時間をかけて見ると、趣がひしひしと感じてきます。