「鏝絵(こてえ)」は、漆喰壁などを手がける左官職人が、その道具「鏝(こて)」ひとつで見事に立体的な造形絵を描きだし、蔵を飾った「蔵印」のひとつです。江戸時代に、左官職人・入江長八の登場によつて、「鏝絵」は技術と共に芸術的域へと高められ、日本の職人技の業は世に知られるようになりました。 全国的に鏝絵の存在について調査が進むなか、山梨県内の鏝絵の存在は10数年前までは詳しく知られていませんでした。しかし、その後の調査で100を超える鏝絵の存在が明らかになり、北杜市(旧北巨摩郡)内には半数の存在が確認され、更には北杜市須玉町にその半数が存在していました。 北杜市須玉町の鏝絵作品の多くは、元左官職人・三井貴男氏(須玉町津金)の手によるものです。ここでは三井氏以外の作品も載せてありますが、鏝絵の世界に少しでも触れていただければ幸いと思います。 |