九份(きゅうふん、ジォウフェン、チゥフェン)は、台湾北部の港町基隆市の近郊、新北市瑞芳区に位置する山あいの町である。 九份という地名の由来はいくつかありますが、台湾語ではカウフン、あるいはカウフナ、中国語(台湾華語)ではジォウフェン、チゥフェンと言います。 山あいの静かな村が一転、ゴールドラッシュの賑わいを迎えたのは清朝時代の終わりのこと。19世紀後半から20世紀前半にかけて、台湾全土から 人々が集まり、九份は栄華を極めました。1900年代半ばには徐々に採掘量が減り、1971年についに閉山。九份はかつての静かな地方の村へと戻り ました。 1989年、映画「非情城市」の舞台になったことをきっかけに再び注目を集めると共に、日本では、九份の町中にある建物が2001年公開の映画「千と 千尋の神隠し」に登場する湯婆婆の湯屋を彷彿させるとして話題になり、日本統治時代に建てられた古い建物が残ることから、どこか懐かしい雰囲気 が漂う町並みは日本人の琴線に触れ、今や台湾で行きたい観光地ナンバーワンとなりました。 九份を訪れる人々がぜひ見たいと思うのが、提灯の灯るあの茶藝館の光景。そこで注意しなくてはならないのが、訪れる時間帯です。当然ですが、 昼間は提灯がともっていないので、なんとなく殺風景な感じがしてしまいます。茶藝館の名前は「阿妹茶酒館」。メインストリートの「基山街」を抜けてすぐ の階段下にあります。 細い路地の階段に沿って建つ古い館に、提灯が灯るノスタルジックな風景。この写真を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 近辺には特に見どころのない小さな町であるにもかかわらず、連日多くの観光客が詰めかける人気の町です。 |